1. >
  2. >
  3. 美容師がはさみを使い始めたのは約50年前からってホント?

NEWS

美容師がはさみを使い始めたのは約50年前からってホント?

 

いまとなっては当たり前のことですが、美容室のカットでは必ずシザーズ(はさみ)が使われます。でもこの常識が定着したのは、実は1970年以降なのです。では、それまで美容室では何が使われていたのか。ちょっと昔まで遡って話を進めましょう。

かつて日本人は男女共に髪を結うスタイルが主流だったため、髪を切る行為はさほど重要視されていませんでした。このとき、カットに使われていた道具は和ばさみやかみそり。しかし、明治維新によってちょんまげが禁止になり、様々な西洋文化が日本国内に流入されるようになると、歴史は大きく変化することになります。

 

男性のカットに使う和ばさみはシザーズになり、髪型も西洋人のようにキレイに切り込まれたショートカットが主流となります。ところが、女性向けのヘアスタイルは明治時代とさほど変化しません。その理由は、女性の場合は相変わらず髪を結うスタイルがほとんどだったから。ちょっとモダンなヘアにしたいときはパーマネントをかけるものの、カットで大幅なデザイン変更をすることはありませんでした。

 

こうして理容室と美容室の在り方が徐々に変化し、昭和初期には

理容室=主にカットや刈り込みで毛髪を整える
美容室=主に髪結い、パーマネントで毛髪を整える

 

と、法律によって明確に棲み分けされることになります。つまり、この地点で美容室はまだシザーズをほとんど使ってはいないのです。

 

では、美容室がシザーズを使うようになったきっかけは? それは、1970年に登場したヴィダル・サスーンの影響です。
一般の人にとって、ヴィダル・サスーンと言えばシャンプーやコンディショナーの製品名くらいの認識しかないかもしれません。しかしこの人、実は理美容業界のカット技術に大きな革命を与えた、すごい人なのです。

 

髪をカットするとき、技術者は毛束をパネル状にしてから引き出してからシザーズを入れます。引き出す角度、シザーズの角度を統一すれば、どんな毛髪でも同様のシルエットに作り出す。この法則を編み出したのがヴィダル・サスーンだったのです。それまでのカットは法則が一切なく、のびた部分だけを無造作に切ったり、全体のバランスを見ながら少しずつカットしていました。ヴィダル・サスーンのカット技法は瞬く間に世界中に浸透。もちろん、日本でもヴィダル・サスーンの技術を習得すべく、血眼になったのです。

 

そしてヴィダル・サスーンが技術を教えるときに常に言い続けていたこと。

 

それが,「カットには必ずシザーズを使う」だったのです。

 

理容室ではすでにシザーズは使われていましたが、美容室はほとんどがかみそり。これを機に美容師もシザーズを使うようになり、やがてシザーズが主流となっていったのです。

 

美容師がシザーズを使い始めた歴史はわずか40数年程度ですが、技術が格段にアップし、ヘアスタイルの幅もぐんと広がることに。美容師のシザーズ革命は、現在の私達のヘアスタイルにも大きく影響を与えているのです。

関連キーワード

連載記事一覧MORE

オススメ NEWS

WRITER

美容ライター三輪順子

このライターの記事へ